繋がりを作る:デザインでチームを結束させる

リモートワーク時代のチームリトリートデザイン (Part. 3)

このリトリートシリーズのPart 3(最終回)では、リトリートにおける「デザイン」と「体験」の役割について振り返りたいと思います。リトリートの主な目的の1つは、普段はリモートで働くメンバーとの団結、交流のためのリアルな場の提供、そして一人一人の帰属意識を高め、チームワークを育むことでした。デザインは、私たちの集団としての的な存在感を強めるだけでなく、全員が日々の忙しさから解放され、リトリートモードに入りやすい環境を作る上で重要な役割を果たしました。
私たちのブランドデザイナーであるSoryung Seoが、今回のデザインプロセスについて語ってくれました。



デザインの背景にはどのような考えがありましたか?そしてロゴはどのようにして思いついたのですか?

デザインのインスピレーションとして初めに思いついたのはもちろん「京都」でしたが、京都の象徴的な要素を含めた上でオリエンタリズム(東洋のデザイン)を避けることを考えると、視覚的に表現するのは難しいと感じました。そこで、DALのロゴと文字のマークを組み合わせたシンプルなデザインを選びました。このアプローチを選択したことで、将来またリトリートを行う際も、テキストを少し修正するだけで一貫性を保ちながら再利用できるという利点があります。
背景の手描き模様は、DALのヒューマニスティックな価値観に対する信念を表しています。これは、以前Pentagram社がデザインしたビジュアルアイデンティティを活かし、独自のアレンジを加える絶好の機会でした。
全体を振り返ると、私が最初に考えたコンセプトは「ブランドとしてのリトリート」でした。京都リトリートの目的は、DALのスローガンである「新しいデジタルセンシビリティのデザイン」をチームに受け入れてもらい、体験してもらうことでした。そのため、今回のロゴとグッズが、DALが象徴するもの今回のリトリートの目的を常に思い出させるようなものしたいという想いもありました。
このロゴは、私たちが制作したすべてのグッズの中心的な存在として位置付けられ、この機会をユニークなものに感じさせる存在でもありました。リトリート全体を通してこのロゴを一貫して使用することで、独自の結束感を育むことを目指しました。


グッズの企画プロセスについて詳しく教えてください。

最初は、チームメンバーに何をあげたいか?リトリートのテーマに合うものは何か?暑い京都の夏で役立つものは何か?などについてのブレインストーミングから始まりました。次々にアイデアが出てきて、リストがすぐに溢れてしまうほどでした。予算を鑑みながら、必要不可欠なアイテムを絞り込むのは非常に難しく大変な作業でしたが、やりがいのあるプロセスでもありました。
まず第一に、リトリートを象徴するようなギフトにしたいという想いがありました。リトリート用ロゴの作成直後だったので、その雰囲気に合ったものや、共に過ごした時間を思い出すことができるもの、そして実際に使ってもらえるものを探していました。
当時DALには、まだ名刺がありませんでした。そこで、この機会を名刺作成のチャンスにしようと考えました。私たちは、スマホをタップするだけで共有できる素晴らしいNFT名刺を偶然見つけ、これは帰属意識を育むためにも画期的な方法だと感じました。そして何より、資源の無駄が発生しないことも魅力です!
また、配布するさまざまなグッズを持ち運ぶためのバッグの必要性にも気づき、製作することにしました(下の写真を見て分かるように、かなりたくさんのグッズを用意しました)。サンタクロースの魔法の袋のようなものをイメージしながら、軽くて実用的なトートバッグを目指しました。
DALでは個性を大切にしており、各チームメンバーのユニークなストーリーが私たちを形作るものだと考えています。そこで、この理念を反映した『動き』を創り出すことをイメージし、個々のメンバーごとに異なる色の名刺とトートバッグを製作しました。一人一人が自分だけのデザインにワクワクした様子で、異なる色や形のものが集まっていく様子はとても美しいものでした。


名刺であれ、トートバッグであれ、1つ1つが世界に1つだけのものになるようにデザインしました。誰もが自分だけのユニークな何かを手に入れることができるのです!

全てはパーソナル・タッチなのです!京都でどんな音楽を聴きたいか皆に尋ねたところ、案の定、私たちのチームの多様性と同じくらい多様なプレイリストが出来上がりました。

さらに、もちろん今回のリトリートは会社のワークショップでもありましたが、メンバーが十分に休息をとり、充実した自分の時間を楽しめるようにしたいという想いもありました。7月の京都はとても暑いため、みんなが快適に過ごせるように、そして一日にちょっとした幸せをプラスできるように、クールなアイテムをいくつか考えました:

  • 水筒(水分補給は肝心!)
  • ミニ扇風機(暑い時の救世主)
  • ノートブック(突然降ってきたアイデアを書き留めるため)
  • スリープオイル(究極のリラックス用に)
  • チョコレート(チョコレートだから!)
  • ミュージックリスト(気分に合わせて選曲)
  • バスボム(スパ気分を味わうため)
  • フェイスマスク(K-beautyの最新アイテム!)
  • リップクリーム(日常のちょっとした贅沢用に)



最後に、これらすべてのグッズに添えるためのウェルカムカードを作成しました。カードの中には、用意したギフトとそれぞれ選んだ理由を書きました。個人宛の手紙のように感じてほしかったため、カードには一人一人のメンバーの名前を手書きしました。完全にDALスタイルで、ギフトセットの完璧な仕上げとなりました。



ギフトには、さまざまな想いが込められていたようですね!

コンテンツと同じくらい、プロセスも重要です。そのため、ギフトを選ぶ際には、どのようにプレゼンするかも含めて考えました。私たちが考えたのは、それぞれのホテルの部屋に、特別なアメニティのようにギフトを置くというプランでした。ホテルの部屋に入ると心のこもったギフトが待っていることを想像すると、まるでリトリートそのものがギフトのように感じると思います。これは、私たちの歓迎の気持ちや、温かいDALのおもてなしの心が伝わる素晴らしい方法だと感じました。
当初は、ギフトを部屋中に散らばらせて、宝探しのような雰囲気を作りたいと考えていました。しかし、ホテルの部屋が小さいこともあり、一度にすべてを見たときに味わえる「わぁ!」という瞬間が生まれないかもしれないと気づきました。そこで、すべてのプレゼントがひとまとめになっている方がより良いと判断しました。部屋での使い方を慎重に考慮し、ベッドとバスルームの2つのエリアに分けて配置しました。ベッドの上にウェルカムカードを添えてギフトを置いたため、「部屋に入るとすぐにプレゼントをもらったような気分になった」とメンバーが話してくれました。

このリトリートの前日に徹夜でギフトの準備作業をしていたことは秘密にしておきます…。

デザインプロセスの振り返りと次回のリトリートに向けての改善点

ホテルの部屋でのサプライズに焦点を当てるあまり、会場に着いた際の最初の対応が疎かになってしまいました。同僚が受け取れるように受付テーブルにグッズを置いておいたことが少々の混乱を招いたこともありました。また、全員が配布された説明書を読んでいなかったため、グッズの目的について説明する時間を取るべきだったことも反省点として挙げられます。
全体的には、パーソナライゼーションというテーマは非常に良かったと思いますし、予算の制約と限られた準備時間を考えれば、大成功だったと思います。次回のリトリートでは、DALの価値観をより良く表現するために、グッズの製作プロセスや使用する素材についてさらに深くリサーチをしたいと考えています。


Soryung Seo is the Brand Designer at DAL (soryung@dalab.xyz)
Joseph Park is the Content Lead at DAL (joseph@dalab.xyz)

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